ボーイング787 紹介

ボーイング787を徹底解説!日本製部品が3割以上の最新鋭機の特徴や保有状況を紹介

かつて旅客機といえばエンジンが4つ搭載されており、2階建のフォルムが印象的であったボーイング747のイメージが強かったと思います。

しかし、かつての象徴であったボーイング747は、次第に数を減らし、現在では見かけることが珍しいほどの存在となってしまいました。

そして近年、見かけることの多くなったのが今回ご紹介するボーイング787という機体です。今ではすっかり当たり前となった787の魅力をご紹介していきます。

ボーイング787とは

ボーイング787 紹介

今回ご紹介するボーイング787は、米ボーイング社が開発した最新の中型機です。

ボーイング社が製造するシリーズの中では最も新しく、2009年12月に初飛行となりました。

2011年より運航されている最新鋭機

ボーイング787の初飛行は2009年12月15日ですが、納入先の航空会社に引き渡されたのは2011年9月です。

初めての納入先は日本のANAでしたが、当初の計画では2008年の北京オリンピックに間に合わせる予定であったため、開発が大幅に遅れたことを意味します。

初納入が遅くなったものの、2011年9月より運航が開始され、その後は数を増やしてきました。

中型機として3つの派生型

ボーイング787 派生型

ボーイング787は、旅客機としては中型機の分類に入ります。

そしてボーイング787では3つの派生型が存在し、787-8/787-9/787-10に分かれます。それぞれの違いは胴体の長さで区別されており、787-8が最も短く、787-10が最も長い胴体を保有しています。

2019年現在、787-8/-9は最初に製造されたモデルとして既に多くの機体が製造・引き渡しが行われていますが、787-10に関しては2017年初飛行と最近であるため、製造数も少なく、世界中でも貴重な存在です。

3割以上の部品が日本製

ボーイング787 日本製 部品

米ボーイング社製のボーイング787ですが、機体で使用されている部品の3割以上が日本製であることはご存知でしたか?

三菱重工など複数企業が部品製造

実はボーイング787で使用されている約35%の部品は、複数の日本企業が製造しています。

飛行機で重要な部分である主翼を製造する三菱重工業をはじめ、さまざまな日本企業がボーイング787の製造に携わっています。

これまでも機体の部品製造において、日本企業が携わることはありましたが、機体全体の3割以上の部品を担当するのは初めてのことです。

部品は中部国際空港に飛来する747LCFによって運ばれる

日本企業によって製造される部品は、日本国内の工場で製造されますが、機体の組み立てはアメリカ シアトルにて行われます。

日本で製造された主翼などの部品をアメリカへと運ぶ必要がありますが、その際にボーイング社製の改造機であるボーイング747LCFが中部国際空港まで飛来して部品を輸送します。

ボーイング747LCFは、ボーイング747-400型機を改造し、貨物室部分を拡大させた特殊な機体です。その専用機を使用して日本からアメリカまで部品を輸送しているのです。

日本が世界ではじめて導入

ボーイング787 紹介

日本企業が多く携わっているボーイング787ですが、世界ではじめて導入したのも日本の航空会社なのです。

2011年にANAが受領、運用開始

冒頭でも少しご紹介しましたが、ボーイング787を世界で初めて導入したのは日本の航空会社であるANA(全日本空輸)です。

ANAでは、2011年9月にボーイング787の初号機(JA801A)を受領しましたが、初号機と2号機にはボーイング787導入を記念した特別塗装が施されました。

引き渡し後は、しばらく乗務員による慣熟飛行が行われましたが、2011年10月26日に世界で初めてボーイング787による商業飛行(羽田発香港行)が行われました。

JALも2012年に導入

日本の中でもフラッグキャリアであるANAですが、もう一社日本の中でも存在感のある航空会社として日本航空(JAL)が存在します。

JALでも2012年3月にボーイング787の初号機を受領し、4月より運航を開始させています。ANAでは国内線メインでの運航が目立った運航初期でしたが、JALでは最初から国際線主体で運航されました。

また、JALではANAで選定されたRRエンジンは採用せず、GE製のエンジンを選定しています。

ANAが世界最大のオペレーター

ボーイング787 ANA 世界最大

2019年現在、初納入から8年が経過したこともあり、世界中で数多くの航空会社がボーイング787を保有するようになりました。

それでもANAは、今なお世界最大のオペレーターとして運航しています。

2019年現在で65機保有

ANAでは現在までに65機のボーイング787シリーズを導入し、現在も長胴型である787-10を含めたオーダー残が存在します。

全世界を見渡しても50機以上のボーイング787を保有している航空会社は存在せず、ANAが世界の中でも頭一つ抜けた世界最大のボーイング787オペレーターです。

中型機として世界中あらゆる路線で

ボーイング787 世界中

もちろん日本以外でもボーイング787は運用されています。

ボーイング787は、航続距離が長いメリットを保有しながら200から300席程度のほどよい客室仕様を実現する機体であり、航空会社にとっても運用しやすいサイズ感だとされています。

50近い航空会社が運用中

2019年現在でも50近い航空会社がボーイング787を保有しており、その数は今後も増えることが予想されています。

かつてボーイング747が運用されていた路線の置き換えはもちろん、新興航空会社によるボーイング787を使った路線展開も見受けられるほど、オールラウンドな航空機となっています。

これからの主力機

ボーイング787 紹介

今回ご紹介してきたボーイング787ですが、まさにこれからの主力機として存在感を増していくことでしょう。

一方でライバル航空機メーカーであるフランスのエアバス社でも最新鋭中大型機としてA350シリーズやA330neoシリーズの開発を進めており、JALが既にA350シリーズの導入を決定しているため、ボーイング787の独り勝ちという状況でないのも事実です。

しかし、ボーイング787は日本において圧倒的な存在感を示している機体であり、これからもANAやJALで主力機として活躍していくことでしょう。

次世代の主力機であり、日本人にとっても身近な存在としてあなたの旅行においてもボーイング787の便にあたることもあるでしょう。

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